ジョンの徒然日記

心に浮かんでは消える他愛のない事柄をとりとめもなく書いてみると、あやしうこそものぐるほしけれ。

池江璃花子選手

アメリカの小説家で、ノーベル文学賞ピューリッツァー賞を受賞したこともあるジョン・スタインベックは、こう語った。
「天才とは蝶を追いかけて山頂に来てしまった人である。」と。
子供の頃に、こんな経験をしたことがある人は少なくないと思う。

なかなか捕まえることができない蝶も、中にはいる。あっ、枝に止まった!チャンス!と思い虫取り網を振りかざしても、中には蝶の姿はない。もう、どこかへ飛んでいってしまっているのだ。蝶を英語にするすると、バタフライ。バタフライといえば池江璃花子選手が頭に浮かんでくる。

2019年2月、彼女は白血病と診断されたことを公表し、すべての大会への出場を取り止めて、療養生活に専念することになった。東京オリンピックは絶望的だと言われ、本人も2024年のパリ五輪を目指すことにしていた。

4月4日に東京五輪の代表選考を兼ねた日本選手権が行われた。そこで池江選手は100mバタフライ決勝において優勝し、400mメドレーリレーの派遣標準記録も突破し、リレーメンバーとしての東京五輪出場が決まった。白血病を公表してから約2年後のことである。誰もが目を見張る驚異的な回復である。

他の追随を許さない、天才的な蝶も世の中には存在するものだ。少しの間、枝に止まって休んだだけで体力を回復し、また飛び回る。池江璃花子という蝶(バタフライ)には、誰も追いつけまい。